みなさん、こんばんは。たんたんです。
30代独身で、東京で会社員をする傍ら、お金のことや毎日を豊かに生きるためのマインドを発信しています。
みなさんは、お金あったらいいと思いますか?
私は、あったらいいと思います。「お金が嫌いだ!」という人はあまりいないのではないでしょうか。
では、お金があればいいな、と思うのはなぜでしょうか。
「欲しいものが買える!」
「豪華な旅行に行ける!」
「一生遊んで暮らせる!」
などなどいろいろな考えがあると思います。
ちなみに、私がお金があったらいいと思う理由は、お金があることで、いろいろな選択をできるようになるからですね。
今日は、そうした言ってみれば「お金」に憑りつかれた方に向けて、この本を紹介します。
『お金の減らし方』(森博嗣、SBクリエイティブ、2020)
もくじ
本書の内容
本書は、小説家の森博嗣氏が自身の経験とお考えに基づいて、「お金」に対する価値観を示したものです。
以下のようなことが書かれています。
第1章 お金とは何か?
第2章 お金を何に使うのか?
第3章 お金を増やす方法
第4章 お金がないからできない?
第5章 欲しいものを買うために
第6章 欲しいものを知るために
第1章 お金とは何か?
お金自体には本来価値はなく、「自分が価値があると感じるモノ」と交換できるからこそ価値があります。
そのため、お金は「使う時に価値がある」つまり「減らす時こそお金の価値が発揮される」というのが本書における著者の主張です。
第2章 お金を何に使うのか?
お金はまず「自分の使いたいこと」に優先的に使うのが道理であり、「必要なこと」に使うのは後だ、と著者は主張しています。
なぜならば、多くの人は「自分がやりたいことをやるために、自分のエネルギーと時間を差し出して仕事をこなし、その対価として賃金を得ている」のだから、と言います。
そして、そのお金を使う先は「自分がどれだけその対象を欲しいと思うか」が基準になります。
第3章 お金を増やす方法
お金を増やす方法は4つあると言います。1つは「自分のエネルギーと時間を差し出すこと」。つまりは、「仕事をして働き、その対価を賃金という形で得る」ということです。2つ目は「自分の持ち物を売る」、3つ目は「投資をする」、そして最後は「ギャンブル」です。
その他にも「他人から盗む」、「誰かからもらう」といったものも書かれてはいますが。
第4章 お金がないからできない?
「お金がないからできない」という言葉の意味をよく考える必要がある、と著者は言います。
「お金」とは「自分がやりたいことをやるために使うもの」というのが著者の主張ですから、「お金がないからできない」というのは、「それの他にももっとやりたい(優先したい)ことがあるので、そちらにお金を回すことはできません」ということ、つまり「優先度が高くない」ということだ、ということです。
第5章 欲しいものを買うために
欲しいものを買うためにはお金が必要です。お金持ちになった人は、そうでない人よりも自分が何を欲しているのか、何をしたいのか、という感情に貪欲である、と言います。
貪欲であるからこそ、自分が欲しいものの情報を常に探しているし、そのために行動する。そこに差があるのです。
第6章 欲しいものを知るために
何が欲しいのか知るためには、多くの人には「リハビリ」が必要だと著者は言います。
周囲の空気に流され、周囲の人と同じであること、周囲の人がやりたいことが自分のやりたいことだと勘違いした結果、自分の欲求のセンサーがマヒしてしまったのだ、と。
その感覚を取り戻すために、「他者を羨ましく思う気持ちを大切にすること」、「ピンとくるものを見逃さないこと」が重要である、と述べています。
お金の持つ価値とは
本書の内容についてはわかってもらえたでしょうか。
本書からの気づきは以下の3点です。
①お金は使うからこそ意味がある
②お金がないからできない=そこまでやりたいと思っていない
③自分こそが最大の資産
お金は使うからこそ意味がある
文字にしてみると当たり前なのですが、「お金は使うことにこそ価値がある」ということです。
お金はどんなに貯めてもあくまで「何かを買える」という気持ちの余裕を与えてくれるにすぎません。
むしろ、貯金残高が貯まっていくのが喜び、となるとちょっとこわい気もしますよね。
自分の行きたいところに行く、
欲しいものを手に入れる、
誰かを喜ばせる、
誰かと楽しい時間を過ごす、などなど
そうしたことを実現するためにお金が必要な場合が多いのであって、お金が増えることが目的ではないのだ、ということに気が付かされました。
そう気づくと、実は上に挙げたような「やりたいこと」は必ずしも大金が必要でないことも多いのです。
もちろんお金があった方が、より自由度は高まります。しかし、そうでなくてもやりたいことは実現できるのだな、とわかるとかなり気が楽になりました。
お金がないからできない=そこまでやりたいと思っていない
これは精神論のように聞こえてしまうかもしれません。
しかし、考えてみると確かに、本当にやりたいことであれば何とかしてお金の工面をするでしょう。
倹約に努めるなり、お金が貯まるまで延期して必死になるなり、誰かから借りるなり。
そうした努力と実現できることとを天秤にかけて、「そこまでやるほどでもないな」という判断をしているのだな、と気が付きました。
お金が自分の本当にやりたいことは何かを探す「ものさし」になってくれる、とも言えます。
ここで気を付けたいのは、借入についてです。
当たり前ですがお金を借りると、借りた金額より多少なり多く返さなければなりません。
100万円かかることをしたい、でも手元には資金がない…
100万円借りることでそれを実行したい!ただし、借りたら110万円返す必要がある
ということです。
誰かからお金を借りる、ということはほぼ間違いなくお金を減らすことになるということは肝に銘じておかなければなりません。
自分こそが最大の資産
著者が言う「お金の増やし方」の中の最初に出てきたのが「働く」ということです。
投資や資産運用、ギャンブルなどではなく、「自分自身がお金を生み出す」ということが一番稼げる方法なのだと改めて気が付きました。
もちろん投資などは自分の時間を差し出さなくて良いので、まったく異質のものですが、それだけで大きく財を成すことは難しいでしょう。
むしろ、それが出来るのは本当に一部の人だけで、大半の人は「やらなければ良かった」と思って元の生活に戻っていくはずです。
投資はあくまで「財を成すサポート」であって「主役」ではないということは忘れてはいけないな、と思います。
お金を減らす=自分のやりたいことをする
いかがでしたでしょうか。
この記事では、小説家である森博嗣氏の『お金の減らし方』について紹介してきました。
①お金は減らすタイミングこそが自分のやりたいことを実現する瞬間である
②必要なことよりも、やりたいことに優先してお金を使う
③自分自身が最大の稼ぎ頭
④お金ができないからできない=「そこまでやりたいと思っていない」
⑤欲しいものに貪欲になる
⑥欲しいものを知るために好奇心を持つ
という内容です。
多くの人はお金を貯めることが第一になってしまって、何故お金を貯めたいのか、何故金銭的に裕福になりたいのか、ということを忘れてしまいがちです。
時には森氏の言う「お金の減らし方」を思い出してみましょう。
本書は何ともびっくりするような書名ですが、言い換えれば、「自分のやりたいことを実現する方法」ともいえるかと思います。
『お金の減らし方』(森博嗣、SBクリエイティブ、2020)