今回はこうした疑問に応えていきます。
この記事では、
ポイント
・投資との程よい付き合い方
・どの程度運用にお金を回すのが良いのか
について解説していきます。
筆者は新卒で銀行に入社し、多くのお客様の資産形成のお手伝いをしてきました。
中には地元の大地主の方がいらっしゃったり、
まだまだこれから運用を始めていきたいという30代くらいの方もいらっしゃったり、
と様々でした。
そうしたお客様それぞれのお考えに沿ったご提案をしてきた私が解説していきます。
もくじ
投資との程よい付き合い方
結論としては、「資産を形成していきたいなら過剰にのめり込むのは禁物」です。
理由は簡単で、市場には波があって、良い時もあれば悪い時もあり、それを事前に予測することはとても難しいから、です。
たしかに、今は世界的に株価が上がってきています。米国の株式市場を代表する指数であるS&P500も過去最高水準にあります。
しかし、思い出してほしいのは、どんな好景気でもいつかは終わる、ということです。
「絶対に安全」と考えられていた日本の不動産市況も、バブルがはじけて暴落しました。
アメリカのITバブルもリーマンショックを機に一気にしぼみました。
近年世間を騒がせている仮想通貨も、著名人の発言だけで大きく価格が上下しています。
注意ポイント
今、好調だからといって、その好景気がずっと続くのではない
わけです。
ですから、「これから資産形成を始めていきたい」という方こそ、好調な市況にばかり目を奪われずに、取り組んでいただきたいわけです。
資産形成や投資は難しいと思われがちですが、必ずしもそうではないです。
しっかりと自分の状況を把握して、自分が決めたルールに基づいて実行できれば、大きな失敗は避けることができるはずです。
私が思う「運用の鉄則」は以下です。
ポイント
・目標を明確にしておく
・時間、銘柄を分散させる
・買う・売るのタイミングのルールを決めておく
目標を明確にしておく
まずは、「資産形成の目標を明確に」しておきましょう。
目標がないことには、どれくらいのリターンを目指すか、いつまでに到達するのかもわからなくなるからです。
たしかに、人生最後の日がいつかは誰にもわからないです。
ただし、だからと言って、お金はあるだけあった方が良い、と考えるのは危ういです。
あるだけあった方が良い、と思ってしまうと、
注意ポイント
・お金を使うことが極端にこわくなってしまい、人生を楽しめない
・少しでも高いリターンを求めて「ギャンブル」ともいえる運用にまで手を出してしまう
・堅実な投資の利回りが小さく見えてやる気を失う
ということに陥ってしまいがちです。
そうなってしまうと、結局資産形成も何もできずに時間だけ過ぎてしまうことになりかねませんよね。
時間、銘柄を分散させる
2つ目は、投資を「分散させる」ということです。
特に「時間」と「銘柄」を分散させることは非常に重要です。
投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。
1つのカゴに大切な卵をすべて盛ってしまっていると、万一そのカゴを落としてしまった時に、すべての卵が割れてしまう、という例です。
すべての資産を1つにまとめておいてしまうと、その資産が目減りした時に、自分自身も大きく損をしてしまう、ということです。
ここで非常に有効なのが「ドルコスト平均法」です。
ドルコスト平均法とは、何かの資産を
①一定額を
②定期的に
買い続けていく、という投資方法です。
こうすることによって、相場が下落している時はより量を多く買うことができ、相場が上昇している時も買い逃しを防ぐことができる、という効果があります。
ドルコスト平均法については過去に記事にしておりますので、併せてお読みいただけるとうれしいです。
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【長期投資の強い味方】ドルコスト平均法とは?
続きを見る
買う・売るのタイミングのルールを決めておく
3つ目は、自分で買う・売るのタイミングについて「ルールを事前に決めておく」ということです。
資産運用をしていくと、当然ながら相場が大きく動くことがあります。
そうした時に例えば
「自分の資産のうち、投資信託の割合が30%を超えたら、20%まで下がるように売ろう」
「今は現金の比率が高いから、株の割合が20%になるまでは買い続けていこう」
など先にルールを決めておくことができれば、その場その場の市場に左右されずに決断が下せます。
実際、そうした値動きの激しい相場に遭遇すると自分ごととして体験できますが、自分の資産がみるみるうちにしぼんでいくことを目の当たりにして、冷静でいられる方はなかなかいません。
そうした時に、心配になって資産を手放してしまい、後になって後悔する、ということを避けられるよう、前以てルールは決めておきましょう。
どの程度運用にお金を回すのが良いのか
ここまでは投資との程よい付き合い方について、徹底すべきルールを解説してきました。
ここからは、具体的にはどの程度運用にお金を回すのが良いのか考えていきます。
結論としては「生活防衛資金を超えた分は投資に回してオッケー」です。
理由は、極力投資に回せるお金を大きくした方が、目標達成は早まるから、です。
生活防衛資金とは、「自分が最低限生活していくことができる支出の6ヶ月分」です。
人によっては1年分という方もいますが、私は半年分あればいいかなぁと思っています。
生活防衛資金とは、万一収入が途切れてしまった時に、当面の生活を維持していくために取っておくお金、ということです。
しかし、日本では、仮に急に仕事を失ったとしても失業保険があります。
さらに生活に困った場合には、生活保護という社会的なセーフティネットもあります。
そうした「もしもの時のためのお金」を貯めることができたら、あとは積極的に投資に回していきましょう。
たしかに、お金を使うことで豊かさを実感できる、というのはあります。
最新のiPhoneはやはり魅力的ですし、年に何回かは旅行に行きたいというのも正直なところでしょう。
ここで、お金を使う順番を見直してみましょう。
今、最新のiPhoneを買うと、合計で10万円かかるのも珍しくありません。
今買おうとすると、10万円支払ってiPhoneが手元に残るわけですが、また数年後には新しいiPhoneを買いたくなるわけですよね。
次に、今10万円でiPhoneを買わずに、10万円で利回り3%を期待できる株式を買ったとしましょう。そうすると、来年には10万3,000円になるわけですね。
この10万円を20万円に、30万円にしていくことができれば、10万3,000円ではなく、20万6,000円、30万9,000円になっていくわけです。
そうすれば、元手資金はそのままに、増えた部分でiPhoneを買うことができる日も訪れますよね。
つまり、今お金を使って「モノ」を買うのではなく、「資産」を先に買いましょう、ということです。
自分の下にお金を運んできてくれる「資産」を少しずつでも買い続けられれば、目標にたどり着く日も近づいてくるわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では「資産形成を始めたばかりの人」に向けて、
・投資との程よい付き合い方
・どの程度運用にお金を回すのが良いのか
を解説してきました。
投資との程よい付き合い方を実現するためには
ポイント
・目標を明確にしておく
・時間、銘柄を分散させる
・買う・売るのタイミングのルールを決めておく
というポイントを解説しました。
また、運用にどの程度のお金を回すのが良いのかについては、
ポイント
・生活防衛資金を確保する
・その後は積極的に「資産」を買い続ける
ということをお伝えしました。
こうした考えは新しいものではなく、古くから言い伝えられてきている内容でもあります。
より詳しい考え方を知りたいという方は、以下の本を読んでみるのがオススメです。
今回解説した考え方だけでなく、お金に関する知恵を多く学ぶことができます。
マンガで書かれているので、とても読みやすいです。
さらに詳しい本が読みたい方は以下の本はどうでしょうか。
長期投資やインデックス投資の力についてとても分かりやすく解説されています。
この記事が少しでも参考になればうれしいです。