今回はそうした疑問にこたえていきます。
この記事では、
ポイント
・外貨建て保険とは?
・外貨建て保険の特徴
・外貨建て保険の注意点
について解説していきます。
この記事を読み終えるころには、外貨建て保険のイメージと注意点が分かるようになっていますよ。
筆者は大学卒業後、新卒で銀行に入社し、支店では個人のお客様に対して様々な金融商品をお伝えしていました。
もくじ
外貨建て保険とは?
外貨建て保険とは、「外貨建て」の「保険」ですね。
「外貨建て」とは、日本で使われている“円”以外の通貨で運用されている、ということです。
例えば、アメリカの通貨である“米ドル”やオーストラリアの通貨である“豪ドル”などがあります。
「保険」は、想像がつくと思いますが「生命保険」のことです。
生命保険の中には大きく分けて
・終身保険
・定期保険
・養老保険
がありますので、簡単に説明しておきます。
終身保険
読んで字のごとく「身が終わる」まで続く生命保険です。
万一のことがあっても、何歳であってもカバーされます。
定期保険
こちらも読んで字の如く「期間が定まった」生命保険です。
10年間の期間限定で生命保険が有効ですよ、というイメージですね。
当然ながら、その期間は保険の設計によって違います。
養老保険
最後も読んで字のごとく「老いても自分を養える」生命保険ですね。
例えば65歳になった際に、その時の満期保険金を一括で受け取れたり、20年間の確定年金で受け取れたりします。
確定年金、というのは、「受取期間を確定させて、年金形式で受け取る」という方法です。
例えば1,000万円の満期金を20年の確定年金で受け取れば、毎年50万円の年金がもらえる、というイメージです。
(実際は20年の受取期間中も保険の満期金は運用し続けられるので、一括よりも20年の確定年金で受け取るパターンの方が総受取金額は多くなる場合が多いです)
外貨建て保険の特徴
外貨建て保険の特徴には以下のようなものがあります。
・日本円で払込ができる
・日本円よりも高い金利が付く場合が多い
日本円で払込ができる
日本で生活しているので、日本円で保険料を支払うことができる仕組みになっています。
払込方法は、月払いだったり、年払いだったり、一括払いだったりします。
ただし、保険料は外貨建てて一定、という場合が多いので、月払いだったり年払いだったりすると、毎回の支払う金額がその時々の為替レートによって変わってきます。
例えば、保険料が1回あたり100米ドルの場合だと以下のような感じです。
1米ドル90円の場合 | 保険料は9,000円 | |
円安になって… | 1米ドル100円になると | 保険料は10,000円(=100円/ドル×100ドル) |
円高になって… | 1米ドル80円になると | 保険料は8,000円(=80円/ドル×100ドル) |
日本円で払えるのは良いですが、毎回金額が違うのはめんどくさいですね。
日本円よりも高い金利が付く場合が多い
金利は絶対に見逃せません。
たしかに、日本では長い間金利がとても低い状態になっています。
しかし、世界の中では、金利が上がっているところもあるのです。
例えば、2021年6月においては、いよいよ米国の金利が上がってくるのでは、と言われています。
日本円で持っていても1年で0.001%の金利しかつかないのであれば、海外の通貨で持っておくことでもっと高い金利を付けてもらおう、と考えてもおかしくはないですよね。
外貨建て保険の注意点
ここまでは外貨建ての保険の内容やしくみについて解説してきました。
ここからはそう思う方に向けて、気を付けておきたい点を解説します。
私が友人にも伝えている注意点は以下の点です。
注意ポイント
・為替リスクがあることを忘れてはいけない
・基本的には一国集中投資になる
・早期解約時は元本割れすることが多い
為替リスクがあることを忘れてはいけない
まずは「外貨」につきものの「為替リスク」です。
結構危ういのが、「満期まで迎えても保証されているのは“外貨建ての元本”である場合が多い」ということです。
(多い、というか、私はそれしか見たことがないのですが…)
つまり、外貨建ての養老保険で30年間積み立てても、受け取る時に為替リスクで一気に元本を毀損するリスクがある、ということです。
私が金融機関に勤めていた時、この点を勘違いされているお客様が結構いてびっくりしました。
外貨建ての場合は、あくまで外貨での元本保証であって、日本円に替える時に為替リスクが発生してしまう、ということはくれぐれも忘れないようにしましょう。
基本的には一国集中投資になる
次に、外貨建て保険の多くは「一国集中投資」ということです。
例えば米ドル建ての外貨保険の場合は、「アメリカという超大国の通貨に全力で賭ける!」ということです。
投資信託などであれば、いろいろな国やいろいろな会社、株や債券などに分散して投資をすることができます。
一方で、外貨建て保険の場合はその国の通貨一択なわけですね。
その国がずっと経済発展を途切れることなく継続してくれればいいのですが、保険のように数十年レベルで付き合っていく商品と考えると、見方を変えてみることも必要かもしれません。
早期解約時は元本割れすることが多い
3つ目は「契約して時間があまりたたないうちに解約すると、元本から目減りしてしか受け取れない」場合が多い、ということです。
これは日本円の生命保険にも言えることですが、解約返戻金はある程度契約してから時間が経ってからでないと、元本すら戻ってきません。
外貨建ての場合、手数料も高くなるので、よりそうした傾向が強いと言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では「外貨建ての生命保険についてあまりよく知らない人」に向けて
・外貨建て生命保険とはどういうものか
・どういう特徴があるのか
・どのような点に気を付ける必要があるのか
といったことを解説してきました。
今日解説したもの以外にも、保険で気を付けたいことは商品によっても様々なのに、金融商品にはあまりなじみのない人がほとんどです。
それなのに金融商品の販売の現場では「預金のようなものですよ」というような非常に誤解を招きかねないような説明をする方さえいるのが実情です。
そうした「ワナ」を避けるためには、やはり勉強が必要です。
お金の知識を学ぶにはこの本はオススメです。
イラストが多く使われているので、少しとっつきづらいお金の話でも、すんなりと読み進めていくことができると思います。
勉強がどうしても苦手!という方は、1人で良いので本当に自分のことを相談できる知人を見つけましょう。
特にその人とは「利害関係」がない人であることが大事です。
例えば仕事のつながりの人、自分の親族関係の人は避けた方がベターです。
そういう時こそ、プロのファイナンシャルアドバイザーを頼るのがオススメです。
外貨建て保険が良い悪い、という話ではなく、しっかりと自分でどのような商品であるのか把握したうえで判断することが必要ですね。
少しでもこの記事が参考になったらうれしいです。